水曜日, 7月 23, 2008

 

北方謙三の土方歳三

 土方歳三と山南の友情、伊藤甲子太郎が実は表面だけを語る小人物であった等は、「少し意外」
 徳川慶喜の大阪城離脱(鳥羽伏見の戦い)の真相は、植民地化を防ぎ、新国家を建設して日本、ひいてはアジア全体を列強から守ることにつながる「不戦」の戦略であったというのは、「なるほど。意外」

 但し、「夢に生きた土方」と「夢を失った近藤」、「不戦の誓いを貫いた慶喜」というのは、小説のキャラクターづくりとしては面白いが、甲州鎮撫隊で近藤と土方が偽名をつかった理由の説明がつかないし、慶喜が大政奉還の当初は新政府に入る意欲が満々だったこととそぐわない・・・なので、あくまでも「史実」ではない「小説」として楽しむことになる。「史実」を扱った新撰組ものは、やはり「燃えよ剣」(司馬遼太郎)でしょう。

 明治維新→函館戦争の流れの中にロマンを見たい人向けの土方歳三本です。



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藤原純友を見直しました

「海賊」=ただの暴れ者という印象しかなかった藤原純友ですが、実は藤原北家の血をひき、出世ののぞみもあったのに「自由に生きたい」という思いを貫き、やがて海を知って、「海の上では誰でも自由であるべきだ」という考えを実践していって漁師たちの心をつかみ・・・大和朝廷による支配の「終わりのはじまり」にあたる時代を、北方謙三が独自の視点で切り取っていく。



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