日曜日, 6月 25, 2006

 
世界のたね

 とりあえず、科学史を楽しく読み、わかったような気分にさせてくれる一冊。

エレガントな宇宙

 数学、物理の素養がなくても、相対性理論や量子論、統一理論として超ひも理論がわかったような気分になれる一冊。

 

文明の歴史を知り、広める旅

旅のラゴス

 文明が滅んだ後の人類。
 成年ラゴスは、旅の果てに旧文明が残した遺跡(未来の図書館的なもの)に辿り着き、長い時間をかけて旧文明の全てを学び、学んだ文明を、無理なく村々に伝え歩く旅に出る。

 どうってことのないお話といえばそうなんですが、現代に生きる我々は、果たして文明が滅んだ後に生き残ったとして、その文明を次の世代に受け継ぐことが出来るのだろうかと反省してしまう。
 また、文明は、それぞれの社会の発展段階に応じて伝えないと意味はないだろうし・・・と思って、歴史や科学史、物理等を学ばなければならないなと・・・今更、数学、物理、地学、化学等は学べないけれど・・・。

水曜日, 6月 21, 2006

 

大きな器、劉邦

項羽と劉邦(上巻)改版
項羽と劉邦(中巻)改版
項羽と劉邦(下巻)改版

 劉邦(=「劉あにい」)というあだ名を、天下人になってからも使い続け、ついにそのまま歴史に名を残した劉邦。愚か者になりきり、大きな器となって、天下の逸材をすべて飲み込み、100戦99敗して、最後の1勝で天下をとった。
 一方、「項将軍」の血統を誇り、勇敢で優秀な武将として100戦99勝して、最後の1敗ですべてを失った項羽。
 始皇帝が築いた秦を、この2つの大きな個性が覆し、新しい歴史を切り開いていく。

ラベル:


水曜日, 6月 14, 2006

 

蒼穹の昴・続編、テイスト違い。

珍妃の井戸
 前作の続きではあるが、前作とは趣向を変えた推理小説。
 テイスト違いというか、異母兄弟的作品。
 いろいろな人の証言をもとに進めていくという点で、芥川の「藪の中」に似ているが、最後は真相に辿り着く(と思った)。
 なお、春児や蘭珍も出てくるので、前作に対する夢オチ疑惑も払拭された。

「落ち」とは
 

ラベル:


 

西太后、李鴻章と官僚達の大河小説

蒼穹の昴(1)
蒼穹の昴(2)
蒼穹の昴(3)
蒼穹の昴(4)
 西太后の時代、日本の明治維新を見習った改革を進めようとする急進的官僚群と旧勢力の対立。
 孤児(?)たちの活躍と昇進。
 悪評高い西太后の慈愛と、李鴻章の偉大さ(李鴻章が、あんなに悲劇の、しかし毅然とした英雄だったということは知らなかった)等々、現代中国史に迫る力作。
 ・・・しかし、なぜ最後はあの場面で終わるのだろうか。まさか・・・?と考えさせて終わる。

ラベル:


土曜日, 6月 10, 2006

 

メジャーリーガー養成

短期間で強打者になれる、画期的バッティング練習機 【ジップヒット】
 イチローは、3歳(3年生?)のころから、バッティングセンターに行っていたという。
 子供に野球を教え込んで、将来、稼いでもらおうと思っていると、テレビで、ヤンキースのジーター観衆というこの器具に出会った。打った打球がすべて投手の手元に戻るので、場所もあまりいらず、安全というのが売り。しかも、投手の操作によって、カーブ、フォークなども自在という。
【玩】NEWウルトラマシン
 でも、うちでは、「ジップヒット」ではなく昔懐かしのウルトラマシンを買っています。球が軽くて痛くないし、家の中でも出来るし。それに、ウルトラマシンも結構難しい。

金曜日, 6月 09, 2006

 

学校教育をからかう   清水義範


永遠のジャック&ベティ
国語入試問題必勝法
 英語教科書に出てきた「ジャックとベティ」(人によって記憶している名前は違うが)が、大人になってから再会したが、折角の再会とともに、あのおかしな口調が蘇ってしまう・・・「これはソファですか。」「いいえ、これはソファではありません。椅子です。」(永遠のジャック&ベティ)
 国語入試問題はあくまでも「テスト」であって、国語の読解力とは関係がないという極論、そして「コツ」によって、どんどん正解を導いていく・・・鵜呑みには出来ないが、一面の真実あり(国語入試問題必勝法)。
 そして、上記2つの短編集と違って、「虚構市立不条理中学校」は長編。すべての学科の不条理を笑う。

 自分が子供のころを振り返っても、何人か魅力的な先生はいたけれども、先生の魅力とは関係なく、学校の授業は、勉強のおもしろさを教えてくれなかった。大学生になり、社会人になり、自分の興味に従って勉強しなおしたとき、「どうして、こんなに面白い物を、あんなにつまらなく教えたんだろう。」と思った。
 一言で切り捨ててしまえば、官僚的に事務処理するだけの勉強を教えるのが日本の教育になってしまっているということで、清水義範が書いた、これらの小説は、そのいびつな側面を切り取って、からかっている。・・・と、理屈を言ってしまったが、理屈抜きに面白い作品集。

火曜日, 6月 06, 2006

 

しゃばけシリーズ  江戸の妖怪達。

しゃばけ
ぬしさまへ
おまけのこ

 江戸時代。体が弱く、いつも生死の境をさまよっている、大店の若旦那と妖怪達の、心温まる交流のお話。
・・・
 ほのぼのしているというのはホントですが、殺人事件の推理とか、妖怪との対決とか、若旦那を妖怪が守り、若旦那がいろいろな危険を自分の知恵と勇気で切り抜けていくという、結構、スリルとサスペンスも楽しめるシリーズ。

土曜日, 6月 03, 2006

 

第二次世界大戦考

昭和史七つの謎
昭和史七つの謎(part 2)

 第2次大戦のことだけを書いているわけではなく、吉田茂や田中角栄といった、戦後政治家のことも鋭く分析しているが、原因を含め、第2次世界大戦について多くの項目を割いている。

 私が思うに、第2次世界大戦の原因を一つに絞ることは無理である(軍部に国民がだまされただけという論は、耳には心地よいが、到底、信用できない)。
 要約すると、長年続いた官僚組織が肥大化・硬直化・独善化し、政治家が腐敗し、かつ厳しい国際情勢もあって国民に閉塞感が満ち、これを無責任にあおったマスメディアがあり、そのような淀んだ空気と閉塞感を打破するための行動が支持されていった。そして、その延長線上に第2次世界大戦があったということだろうと思う。
 本書は、第2次世界大戦の遠因を、5・15事件、2・26事件に見られる「日本の文化大革命」に求めているが、卓見である。なお、さらに言えば、日露戦争後の日比谷公園焼き討ち事件あたりまで遡ることもできるのではなかろうか。

 それから、昔から変わらぬ外務省の無責任体制(本書では、情報戦に対する無理解として説明されている)。外務省の不手際によって、宣戦布告が遅れ、日本に「だまし討ち国家」の汚名を着せられてしまったのであるが、これに関連して、本書ではさらに驚くべき事実が語られている。つまり、筆者の取材によれば、戦争か和平かという重大局面において、アメリカの日本大使館において、ほとんどすべてのタイプ作業をしていたのが、現地雇用のアメリカ人だったという。

 官僚組織の肥大化と硬直化、腐敗・・・現代にも符合するのが恐ろしい。

ラベル:


This page is powered by Blogger. Isn't yours?