月曜日, 9月 25, 2006
金が遼(キタイ)を滅ぼし、遺臣達が西遼(カラキタイ)を建国する時代背景の中で、西遼の建国者である耶律大石と、山岳の独立集団、そして理想郷である桃源郷を結ぶ「まことの教え」・・・
自らの名を捨てて、真の心の支えとして姿を消していった宗教に、ひとつの理想を見る。
ラベル: 中国史
土曜日, 9月 23, 2006
明治・昭和期の文学者たちはなぜ早死にか
森鴎外が誰かに殺されそうになったとき、タイムスリップしてしまい、「モリリン」と呼ばれて現代で暮らすという、ちょっとありえそうもないユーモア歴史ミステリ。
明治期から昭和期にかけての文学者が、どうして皆、早死になのかという、気づかれそうで気づかれない謎を、高校生達や森鴎外自身の力で解いていく。
「邪馬台国を知っていますか」や「新世界の7不思議」に載っていない歴史の謎を新たに示し、解明していくのがうれしい。
金曜日, 9月 22, 2006
大塩平八郎の乱
お庭番の家系に生まれ、浪人しているのか隠密に利用されているのか自分でもわからないという剣客が、大坂で大塩平八郎の息子(婿養子)と友人になり、友情のために、大坂の不穏な動きを探り出す。
欲のかたまりのような商人、腐敗した与力からはじまって、幕閣の派閥争い、薩摩の密貿易、果ては明治維新につながるような思想の種子(尊皇思想)まで出てきて、闇は深く、複雑になっていく。
他方、大塩平八郎についても、門下の弟子の誰が裏切り者なのか、うさんくさい門下生が出てきて興味をつなぐ。
そして、クライマックスは大塩平八郎の乱。
切なくも爽やかな歴史物語。
ラベル: 日本史